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M&A専門誌マール

2015年11月号 253号 : M&A戦略と会計・税務・財務

第101回 財務会計における見積りと内在するリスク 有料記事です

 山岡 久之(プライスウォーターハウスクーパース パートナー)

1. はじめに

  2015年春、大手上場企業における不適切会計のニュースが駆け巡った。本事案における不適切会計は、会計処理において工事進行基準を利用したものであった。工事進行基準は、企業会計基準第15号「工事契約に関する会計基準」(平成19年12月27日)として企業会計基準委員会より公表されている会計基準である。この基準は、要約すると、一定の要件が満たされた場合、「工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を合理的に見積り、これに応じて当期の工事収益及び工事原価を損益計算書に計上する」会計処理である、とされている。ここで工事進行基準の適用に際し要求される「一定の要件」とは、工事総収益、工事原価総額および決算日における工事進捗度について信頼性をもって見積ることができること、である。

  一般に、見積工事原価総額に対する決算日現在の発生工事原価の割合をもって工事進捗度が算定され、工事総収益は、顧客との契約に基づき決定されているであろうことから、見積られた工事原価総額の精度が非常に重要となる。また、発生工事原価の集計が工事進捗度の見積りに影響を与えることとなる。

  なお、一般に工事進行基準と呼ばれる本会計基準における「工事契約」とは、仕事の完成に対して対価が支払われる請負契約のうち、土木、建築、造船や一定の機械装置の製造等、基本的な仕様や作業内容を顧客の指図に基づいて行うものを指しているが、受注制作のソフトウェアについても適用することとなっている。(本事案が契機となっているか否かは確認していないが、2015年4月30日付で日本公認会計士協会より監査・保証実務委員会実務指針第91号「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱い」が公表されている。)

  後述するように、財務会計において経営者による見積りが反映されている分野は多岐に及んでおり、これらの分野については経営者の意向が反映されやすい。このことは、すなわち、財務会計の数値に潜むリスクにつながることとなる。

  本稿は、ひろく「会計上の見積り」に関して読者の注意を促すことを目的としたものである。なお、本文中の意見に関する部分は、筆者の私見であることをあらかじめお断りする。

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