M&A専門誌マール

2013年6月号 224号 : マールインタビュー

No.157 大企業との資本提携も活用し世界の食料・エネルギー・環境問題解決企業を上場 有料記事です

 出雲 充 (ユーグレナ 社長)

出雲 充 (ユーグレナ 社長)

東大発ベンチャー企業


-- どのような会社ですか。

   「ユーグレナは二つのビジネスをしています。一つは人を健康にするヘルスケア事業、もう一つは地球を健康にするエネルギー・環境事業です。どちらも私たちが世界で初めて大量培養に成功したミドリムシ(学名・ユーグレナ)が基になっています。2005年に創業し、38人の仲間とともに2012年12月に東証マザーズに上場しました」

-- 人を健康にする事業はどういうものですか。

   「ミドリムシの粉末の入ったクッキーやドリンク、サプリメントなどを販売しています。ミドリムシの語感からネガティブな印象をお持ちの方がたくさんいらっしゃいますが、ミドリムシは食べ物の分類で言えば、ワカメとか昆布の親戚の藻の一種で、栄養価が高く、ビタミン、ミネラル、アミノ酸も豊富に含まれています。その良さを特に女性の方々に知っていただきたいと考えています。海外への輸出もこれからです。ミドリムシはまだ沖縄の石垣島にある私たちの施設でしか育てられません。海外の方にミドリムシの良さをお伝えすれば需要はどんどん増えていきます。今期の売り上げは22億円を見込んでいますが、30%以上で増えています。少なくとも数年間はこのペースでの成長を目指します」

-- 地球を健康にする事業はどうですか。

   「エネルギー・環境事業として取り組んでいます。中でもミドリムシの油分を抽出してつくるバイオジェット燃料の開発がもっとも重要なプロジェクトです。JX日鉱日石エネルギー、日立プラントテクノロジーと共同研究に取り組んでいて、出資もいただいています。今、トウモロコシ、サトウキビ、ひまわり、大豆などいろいろなものを絞って、ガソリンなどバイオ燃料をつくれますが、ジェット燃料はつくれません。ところがジェット機の利用は増え、燃料の需要は伸びる一方です。地球温暖化防止の観点から、化石燃料に変わる新しいエネルギー源の開発は喫緊の課題で、世界中で競争しています。エネルギー国産化の点でも重要です。私たちは2018年を事業化の目標にしています」

-- 東大発ベンチャー企業だそうですね。

   「東京大学の基礎研究や他大学の研究成果も活用して事業化しました。東大からベンチャーが巣立っていくようにと、2007年に支援拠点となるアントレプレナープラザが設立されましたが、私たちは設立当初から入居させていただいています。このプラザの支援企業としては、モルフォに続いて2社目の上場企業です」

-- 最近は、ネットやスマホなどを活用した手軽なベンチャー企業が多いのですが、ユーグレナは毛色が違いますね。

   「私たちは研究開発型企業ですからお金も時間もかかりました。自前で、研究に必要な分析機器や設備を用意しようとすると何千万、何億円もの資金が必要で、大企業でなければできません。だからと言って、そこで立ち止まってしまっては一歩も前に進めません。お金がないなら、ないなりに知恵を絞る。例えば、私たちは研究室で先生の研究のお邪魔にならないように分析機器などを使わせてもらいました。もちろん、研究室の試薬とか消耗品とかは勝手に使えませんから、その費用は自分たちで用意しました。数百万円ぐらいです。ですから、お金がないからと言って諦めないでほしいですね。工夫をすれば、研究開発型ベンチャーの上場も可能だということを世にお示しできました。日本には地方の大学にもたくさん良い研究が埋もれたままになっています。若い人が諦めないでしっかり開発していけば、日本はどの分野でも世界で勝負できると思っています」

-- 日本でもベンチャー企業の上場が盛んになるといいですね。

   「私がミドリムシに取り組むと言ったとき、そんなくだらないことを言わずにもっと真面目に仕事をやれ、と多くの人から言われました。ほとんどの方はミドリムシのことを知らずにイモムシ、アオムシの類と誤解して、です。これは日本に限りませんが、若者が何か新しいことに挑戦しようとすると、大人がよく分からないのに、既成概念でくだらないと決めつけがちです。あまりくだらない、くだらないと言われると、やる気が萎えしまいます。別にほめていただかなくてもいいのですけど、頭ごなしに否定するのではなくて、そういうアイデアもあるのかと、温かく見守ってほしいですね。そうすれば、今まで見向きもされなかったものから素晴らしい製品やサービスが生まれて、我々の生活が豊かになる。第2、第3のチャレンジが続くのではないかと思っています」

ミドリムシとの出会い

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