マール最新号

特集

宮内義彦氏が語る「ガバナンス改革の問題点」
2017年1月号 267号(2016/12/15発売)

■円谷先生の基礎講座[財務分析入門]|10月12日スタート|無料記事!

more
M&A取引における対象企業の情報に関する留意点

[M&A戦略と法務]
M&A取引における対象企業の情報に関する留意点 有料記事です

 鈴木 貴之(TMI総合法律事務所 弁護士)
第1 はじめに   M&A取引を検討する際には、デューディリジェンスを実施し、M&Aの相手方となる企業の情報を十分に収集・分析することが必要とされており、対象企業の情報を十分に収集・分析できたか否かがM&A取引の成否を決するといっても過言ではない。   しかしながら、M&A取引のためのデューディリジェンスに際して、対象企業から十分な情報が開示されないケースも一定程度存在しており、筆者が現実に携わったM&A取引においても、対象企業によって十分な情報の開示がなされなかったことを主たる理由として、スケジュールや取引条件を変更せざるを得なくなったケースが散見される。   そこで、本稿では、対象企業が情報開示を控える主たる要因を踏まえつつ、M&A取引における対象企業の情報開示に関して注意すべきポイントや実務上の工夫を、M&A取引に関する手続の進捗状況に応じて(1)秘密保持契約や基本合意が締結されるまでの段階、(2)秘密保持契約や基本合意が締結されてから最終契約が締結されるまでの段階、(3)最終契約が締結されてからM&Aが実行されるまでの段階に分けて、整理することとしたい。   なお、本稿中の意見にわたる部分は筆者の私見であり、必ずしも筆者の所属する法律事務所の意見というわけではない点にご留意いただきたい。  

more
第85回 カーブアウトM&Aの難しさ:バリュー・チェーンの視点から

[M&A戦略と会計・税務・財務]
第85回 カーブアウトM&Aの難しさ:バリュー・チェーンの視点から 有料記事です

 山岡 久之(プライスウォーターハウスクーパース パートナー)
はじめに   M&Aは難しいとよく言われる。過去に公表されている幾つかのアンケート結果によれば、成功したM&Aは全体の2割ほどと言われている。複数のアンケートにおいて、同じような水準の結果になっているので、ほぼ間違いないところなのであろう(なお、「成功」「失敗」の定義が不明確な点はお許し願いたい)。このようなこともあり、M&Aの難しさ、なかんずく、買収後の経営の難しさは皆さんが十分に理解するところであるが、何故難しいのかについて、本稿では、バリュー・チェーンを利用して議論してみたい。なお、本文中の意見に関する部分は、筆者の私見であることをあらかじめお断りする。   ご存知の方も多いと思うが、バリュー・チェーンは、後述するように、ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーターがその著書「競争優位の戦略」(1985)(以下、「競争優位の戦略」という)において解説した企業の競争優位の源泉分析(すなわち、内部分析)のためのツールである。日本語翻訳版で600ページ以上の大著であり、内容を十分に理解するのも難しいところもあるが、経営者(或いは、事業買収者)が事業を分析するにあたり、当該事業の競争優位性、或いは、他社との差別化要因がどこに存在しているのかを理解するための良いツールとなる。なお、「競争優位の戦略」では、幾つかの業界に関する分析事例(耐久消費財メーカーや航空会社等)も掲載されているので、これらを参考として自社事業や競合相手、或いは、読者の方々が所属されている業界について分析してみるのも面白いと思う(意外な発見があるのではないかと思う)。   そもそも、M&Aにおいては、買収対象企業(事業)の資産の取得が目的なのではなく(幾つかのケースでは、対象会社の保有する特許等が目的となるケースもある。研究開発型のベンチャー企業の買収などはそのような事例であろう)、事業そのものの取得が目的であるので、事業分析(一般にデュー・ディリジェンス、或いは、DDと呼ばれる)が非常に重要となる。一般に、事業分析は外部分析と内部分析により構成される。外部分析は、市場環境分析等を中心としたものであり、当該分析のためのデータ等については、必ずしも対象会社から入手する必要がない。一方、内部分析に必要なデータ等は、原則として、対象会社を通じてのみ入手可能である。したがって、内部分析については、対象会社側に主導権があり、買い手側の作業にデータを開示することで協力するものの、買い手側からすれば、その分析結果には大きな限界が存在していることは明白であろう。  

more

more
オークション理論とM&A

[寄稿・寄稿フォーラム]
オークション理論とM&A - 日本企業はなぜ高値掴みをしてしまうのか? “勝者の呪い”に陥らないために - 有料記事です

 マール企業価値研究グループ
  総合電機メーカーの東芝は、2016年3月期決算において、10年前に約5400億円で買収した米ウェスチングハウスを含む原子力事業で約2600億円の減損計上を迫られた。持続的な成長を目指し、成熟する日本から世界市場に活路を見出すIn-OutのM&Aは、グローバル化を図る日本企業の成長戦略の一つとして定着してきたが、製薬業界や食品業界など、後に多額の減損を強いられ、M&Aが価値創造に寄与していない例も少なくない。買収後の統合(PMI)がうまくいかなかったり、想定外の事態が発生したりするなど、案件ごとに失敗の理由はさまざまであろうが、そもそも高く買いすぎたことも一因に違いない。特に、売り手主導型のオークションで競り勝った案件ほど、高値掴みの傾向があると思われる。   本稿では、ミクロ経済学のオークション理論を用いて、買い手が高値掴みをしてしまう理論的背景を考察するとともに、M&Aオークションにおいて買い手や売り手がとるべき合理的な行動についても考えてみたい。M&Aの遂行は決して目的ではなく、M&Aを通じた株主価値創造こそが重要であることを忘れてはならず、本稿が“勝者の呪い(Winner’s Curse)”に陥らないための行動指針となれば幸いである。 1. オークション方式の類型   Yahoo!やeBayなどのオンライン型オークションも広く普及し、オークションは個人にとっても身近な存在になってきたが、先ず始めに、オークション方式の代表的な4つの類型について簡単にまとめてみたい。

more
No.159 『贈与と売買の混在する交換』の著者が語る中小企業M&Aの特徴

[マールインタビュー]
No.159 『贈与と売買の混在する交換』の著者が語る中小企業M&Aの特徴 有料記事です

 古瀬 公博(武蔵大学 准教授)
「譲渡不可能性」という視点 -- 著書のなかで、中小企業は譲渡不可能性が強い財だと先生は仰っています。譲渡不可能性とはどういうことですか。    「譲渡不可能性とは自分と所有物との間に強い関係があって、自分から切り離せない状態を示す概念です。英語ではinalienabilityと言います。人間から奪うことができない権利(不可譲の権利)という場合もこの言葉を使います。人類学の領域では、所有者とものとの間に密接な関係があって、所有権を他者に完全に譲渡するのが難しい状態を譲渡不可能性と言っています。未開社会では、ものに霊魂が込められていると信じられてきました。こうしたものを他者に譲渡する場合、売買でなく贈与で行われます。所有者にとって重要な存在であるものを売買の対象にすると、自分の尊厳を傷つけますし、ものの価値を貶めることになります。現代においても、個人にとって重要な意味を持つものは売買してはならないという価値観が存在します。家族が残した形見の品や人体の一部である血液や臓器もそうです。これら譲渡不可能な財の交換は贈与の形態で行われ、親族や友人など紐帯が強い相手との間で行われます。したがって、譲渡不可能性という言葉には贈与はできるけれど、売買の対象にはなりにくい、というニュアンスが込められています。しかし、このような譲渡不可能な財であっても市場経済が進展するなかで、売買の対象になる機会が増えてきています。その場合も、通常の市場取引とは異なる形で行われます」 -- 中小企業はどの点で譲渡不可能性が強いのですか。    「中小企業はオーナー経営者が自ら設立し、数十年にわたり手塩にかけて育て上げた会社です。自分の存在そのもの、わが子のようになっていて、自分から切り離せません。この状態を理論的に表現するために、あえて譲渡不可能性という概念を使うことにしました」 -- このような性質が中小企業M&Aを特徴的なものにしているわけですか。    「ええ、そうです。現在、オーナー経営者の方々の多くが後継者が見つからず、苦しんでいます。会社を清算するか、売却するか。清算すると、事業や雇用は維持されません。その点で経済厚生的には、別の会社に売却して事業と雇用を引き継ぐのが望ましいのですが、会社を売ることに対しては社会的なマイナスイメージもありますし、後ろめたさや葛藤が伴います。売ることへの抵抗感というのは、譲渡不可能な財の取引に共通する問題です。この観点から研究し、主にオーナー経営者の視点に立ちながら、取引のプロセスやメカニズムの特徴を解明することで、中小企業M&Aの円滑化に貢献できるのではと考えました」 -- どのような特徴が解明されたのですか。    「中小企業のM&Aには贈与と売買の要素が混在しています。中小企業M&Aは、もちろん市場取引ではあるのですが、そこに贈与の要素を見ることができます。オーナー経営者の方々は『会社を売ること』に抵抗がありますので、より人格的な、より人間的な「贈与」の要素を加えることで、取引が円滑に進んでいきます。仲介会社の方々は『売る』という言葉よりも『譲る』という言葉を使われます。ここには通常の財の売り買いとは異なるものとして、中小企業M&Aを取り扱おうという配慮が見られます。オーナー経営者の方々が抱える『売る』ことへの葛藤に配慮しつつも、市場取引としての公正性を保つことに注意を払いながら、仲介会社の方々は取引を進めていると私は理解しています」

more
第96回 人事部門の早期巻き込みと円滑なディールプロセスの実現(上)

[ポストM&A戦略]
第96回 人事部門の早期巻き込みと円滑なディールプロセスの実現(上) 有料記事です

 竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング パートナー)
  M&Aでは、デューデリジェンス(DD:Due Diligence)の結果を踏まえて最終契約書(DA:Definitive Agreement)の交渉を行い、合意に至れば契約書の調印(いわゆるサイニング)に至る。ただし、DDには、費用も、人材も、エネルギーも、時間も、少なからぬものを投入するので、「この先調査して、詰めて、交渉すれば、お互いよしとする範囲で合意できそうだ」という感触(あるいは確信)が持てるまでは、DDには入れない。結局は、無駄になる可能性が高いからである。   つまり、「本当にサイニングに至るかどうかは、DDの結果次第」という留保は付くものの、DDに入るときには、「この範囲で合意することを目指してDDを行う」というお互いの了解があるのが普通である。   今回からは、ディールの上流工程で具体的に踏み込んで検討しておけば、後工程の大きな苦労を軽減できたのではないか、という組織・人事のポイントについて、解説する。 • 買収先経営者のリテンション方針(今回) • 多拠点にわたるカーブアウト(次回) • 売却案件(次回) 買収先経営者のリテンション方針   買収先の経営者に対して、買収後の一定期間、継続して勤務してほしい、と考えることは珍しくない。なぜかというと、こちらが残ってほしいと思っているのに、「悪いけれど辞めます」と言われたのでは、慌てて交代人材を探さなければならないからである。さらに、良い人材がタイムリーに見つかる保証も、また見つかったとしてもうまく機能する保証も、ないといえばないからである。   そのような場合は、「買収後も辞めずに会社に残って、少なくともこれこれの期間、経営しませんか」ということを買い手が本人に伝え、併せて適切な条件をオファーする。これが、買収先経営者のリテンション(Retention)である。一旦そうしておいて、将来この人が交代する時のリスクが下がるように、ひいては買い手が交代させたいと思ったときには支障なくそうできるように、買収後に間髪を置かずきちんと手を打っていく。未来永劫にわたって本人をリテインすることなど、ありえないからである。   さて、本稿で取り上げるケースは、買収先経営者、特にそのへそとなる人物(典型的にはCEO)が、客観的に見て「非常に」退職しやすい状況にあるにもかかわらず、買い手はそのCEOを「中期にわたって」「絶対に」リテインしたいと考えている場合である。これらの「 」がすべてつくと、リテンションの難度が大きく跳ね上がる。以下に順を追って説明する。

more
TYO――インテグラルと組んで経営改革、ジャスダック市場から東証二部に昇格した広告制作大手の歩み

[マールレポート ~企業ケーススタディ~]
TYO――インテグラルと組んで経営改革、ジャスダック市場から東証二部に昇格した広告制作大手の歩み 有料記事です

東証第二部市場へ   TV-CM事業、WEB広告などのマーケティング・コミュニケーション事業を手掛ける広告制作大手ティー・ワイ・オー(TYO)が2013年10月25日、東京証券取引所ジャスダックから東京証券取引所市場第二部へ市場変更した。   同社は09年、10年の2期にわたって連続赤字に転落、10年10月以来、PE(プライベート・エクイティ)ファンドのインテグラルによる出資・支援のもとで経営の立て直しを進めてきた。その結果、13年7月期の業績は売上高250億円、営業利益14億9300万円、当期純利益8億800万円となり、09年7月期の売上高294億8300万円、営業利益4億100万円、当期純損失18億5600万円に比較すると営業利益で3.7倍、最終損益で大幅黒字転換と収益が急回復。14年7月期についても売上高は6.0%増の265億円、営業利益13.8%増の17億円、当期純利益10.1%増の8億9000万円を見込むなど様変わりの業績となっている。3年にわたってTYOを支援してきたインテグラルは、TYOの東証二部への市場変更を機に持株すべて約44%を市場で売却、エグジットした。   本レポートでは、同社の創業、経営危機、そしてインテグラルと組んで行われた復活のプロセスを追ってみたい。 グループ拡大に潜む危機   TYOを創業した吉田博昭社長は、1949年8月神奈川県逗子市に生まれた。祖父は中央大学法学部の大学院長、父は旧財閥系大手企業のサラリーマンという家庭に育った。高校時代は小説家志望、また仲間と8ミリ映画の制作にも熱中したという。その後、早稲田大学文学部仏文科に進学したが、在学中に早くも吉田氏に転機が訪れる。友人の兄が広告関係の仕事をしており、8ミリ映画制作の経験を買われて、CM制作の手伝いをしてほしいと頼まれたのだ。そのCM制作に当たって相談したのが、ソニー・ピクチャーズエンターテインメントから円谷プロに転じた映画プロデューサーで、当時円谷エンタープライズの社員をしていた森島恒行氏であった。結局、これをきっかけに吉田氏は大学を中退、クリエーターの世界に足を踏み入れることになり、森島氏の紹介で円谷エンタープライズに入社。その後、6回の転職を経て75年に当時TV-CM制作で最大手の日本天然色映画に入社。同社では、資生堂の「ゆれるまなざし」など数々のヒットCMを制作、広告業界の花形ディレクターとして才能を開花させていった。その後、“クリエーターによる理想の会社作り”という夢を抱いて、82年4月、日本天然色映画の仲間5人と出し合った1000万円を資本金に六本木のマンションの一室でTYOを旗揚げした。   「当時流行った“ブティックカンパニー”です。社名は5人がそれぞれ出し合って多数決で決めました。僅差で私がだした〝TYO〞に決まったのですが、TYOとは航空会社が東京を表す時に用いる都市コード。それに“東京スピリットを世界に”という思いを込めました」と、吉田氏。   広告業界の一騎当千の5人がタッグを組んだ企業だけに、業績は順調に伸びていった。そんな中、吉田氏は新たな挑戦を行う。CM制作に飽き足らなかった吉田氏は、87年11月、自ら原案、脚本、制作、監督という1人4役でつくり上げた長編映画『ゴキブリたちの黄昏』を公開。翌88年からは本場ハリウッドに居を構え、映画製作に取り組むことにしたのである。   しかし、91年に完成したハリウッドでの第1作『アイアン・メイズ〜ピッツバーグの幻想』は、東京国際映画祭で脚本賞を受賞したものの、興行が伸びず失敗作に終わった。そして、吉田氏の足かけ3年に及んだハリウッドでの映画制作を断念せざるを得なくなる事態が起こった。日本経済のバブル崩壊の影響を受けてTYOの業績が急速に悪化したからである。事実、帰国前年の90年9月期のTYOの売上高は過去最高の39億円を計上していたが、吉田氏が帰国した91年9月期は33億円と創業以来初の大幅減収減益となってしまった。

2016年1-12月のM&A件数と金額

2016.12.31現在 集計

  IN-IN IN-OUT OUT-IN 合計
件数 (件) 1,816 635 201 2,652
増加率 9.3% 13.4% -2.4% 9.2%
金額 (億円) 36,534

104,011

25,587 166,133
増加率 -7.6%

-7.2%

150.1% 2.6%

 *2016年1-12月の日本企業のM&A動向は、こちら

■第15回マールM&Aセミナー|2017年2月9日|データで読み解くベンチャー投資の最新動向 ~成長・注目分野と事業会社のベンチャー投資を分析~|北村 彰 氏(株式会社ジャパンベンチャーリサーチ 代表取締役)

日本企業のM&A戦略分析ツール|レコフM&Aデータベース|無料トライアル|日本企業のM&Aデータを5万件超を収録|日本のM&A市場、業界再編動向、企業戦略などの分析ツール

 

  • M&A専門誌マール 最新号
  • M&A専門誌マールのお申し込み
  • 商品のFAXお申込書
アクセスランキング

キャンペーン情報|M&A専門誌マールを無料でお試しいただけます

皆様からのご意見・ご要望をお待ちしております。
レコフM&Aデータベース

LOGIN

  • 特徴と機能についてをムービーでご紹介。
  • MOVIE
  • トライアルはこちら
M&A専門誌マール
  • M&A専門誌マール
  • お申込みはこちら

具体的なM&Aのご相談はこちらへ

企業戦略に沿ったM&A実現をサポート 株式会社レコフ

レコフ クロスボーダーセミナー

編集部から|次号予告、編集後記など
M&Aアンケート

「MARR2016」(M&Aレポート2016)の「第4部 アンケート調査」から抜粋。Aコース会員・EXコース会員向けの限定コンテンツです。

worlding
日経バリューサーチ
NIKKEI TELECOM日経テレコン

日経テレコンの「レコフM&A情報」では、M&A、グループ内M&A、分社・分割、持株会社などの関連データのほかに、防衛策データも提供しています。

 

SPEEDA
M&Aフォーラム
pagetop