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マール最新号

特集

第三者委員会の現状と今後の課題
2017年3月号 269号(2017/02/15発売)

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[座談会] M&A関連法制等の動向と実務への示唆 [2016年版]

[対談・座談会]
[座談会] M&A関連法制等の動向と実務への示唆 [2016年版] 有料記事です

 中村 慈美(中村慈美税理士事務所 税理士)
 髙木 弘明(西村あさひ法律事務所 パートナー 弁護士)
 武井 一浩(西村あさひ法律事務所 パートナー 弁護士)(司会)
 構成:丹羽 昇一(編集長)

はじめに 武井 「一昨年、昨年に引き続き、『M&A関連法制等の動向と実務への示唆』(2016年版)と題して、今年(2016年)のM&A実務に影響のある重要な動きについて整理し、今後の実務への示唆等について議論したいと思います。今年は何といっても、税制と会社法に関する重要な最高裁判所の判決・決定が出ましたので、これらの判例を中心に話を進めていきたいと思います。   まず、自己紹介からということで、中村先生からお願いします」 中村 「税理士の中村です。税務相談中心の業務を行う傍ら、大学院で税法を教えています。M&Aは私の専門分野の一つです」 武井 「髙木先生、お願いします」 髙木 「弁護士の髙木です。M&Aやコーポレートガバナンス等、上場企業の企業法務を広く取り扱っています」 武井 「司会は去年同様、弁護士の武井が務めます。よろしくお願いします」 M&A実務に関連する税制度の動向 (1) Yahoo事件の最高裁判決 IDCS事件の概要 武井 「まず、税制の動きからですが、平成28年2月29日に最高裁の第一小法廷と第二小法廷から、組織再編成における包括否認規定と呼ばれる法人税法132条の2(組織再編成にかかる行為又は計算)の解釈について重要な判断が示されました。第一小法廷がいわゆるソフトバンクIDCソリューション(IDCS)事件、第二小法廷がソフトバンクIDCフロンティア(IDCF)事件です。これらは、一連のM&A取引を構成する2つの取引が別々の裁判になったものですが、いずれも132条の2(包括否認規定)に言う『法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの』にあたるかどうかが争われ、最高裁が初めて一定の解釈を示したものです。まず中村先生から、IDCS事件の概要をご紹介ください」

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第102回 買収を成功させる5つのポイント

[M&A戦略と会計・税務・財務]
第102回 買収を成功させる5つのポイント 有料記事です

 山岡 久之(プライスウォーターハウスクーパース パートナー)
1. はじめに   筆者は、読み物としてドラッカーの著書・論文に目を通すことが多い。   ドラッカーについては、(反論も多いであろうが)「企業の目的は、顧客を創造することである」という言葉が有名であり、顧客を創造するために企業が有する基本的な機能はマーケティングとイノベーションである、と明言している。また、以下のような「経営者に送る5つの質問」というのが有名である。   われわれのミッションは何か   われわれの顧客は誰か   顧客にとっての価値は何か   われわれにとっての成果は何か   われわれの計画は何か   経営者の中には、上記の「5つの質問」を念頭に、事業戦略、M&A戦略を検討されている方もいらっしゃるかと思う。   これらの他にも、ドラッカーには多くの名言・至言があり、企業買収に関して言えば、「企業買収成功のための五つの原則(The Five Rules of Successful Acquisitions)」というタイトルの小論文が「マネジメント・フロンティア」(ダイヤモンド社、1986年)の第31章として収められている。本稿では筆者の個人的な経験も含めてこの小論文において取り上げられている5つのポイントについて振り返ってみたい。

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【第75回】NHC安東会長兼社長が語る「『さが美』TOB提案の顛末とM&Aにおける取締役の役割」

[Webインタビュー]
【第75回】NHC安東会長兼社長が語る「『さが美』TOB提案の顛末とM&Aにおける取締役の役割」

 安東 泰志(ニューホライズンキャピタル 会長兼社長)
アスパラントグループに売却された「さが美」 ―― ユニー・ファミリーマートホールディングス(以下ユニー・ファミマHD)は2016年10月11日、同社が保有する呉服店子会社さが美の株式をアスパラントグループが運営する「AG2号投資事業有限責任組合(AG2)」に、TOB(株式公開買付:10月11日が期限)によって売却したと発表しました。さがみの買収については、ニューホライズンキャピタル(NHC)が運営する「ニューホライズン2号投資事業有限組合(NH-2)」がより高い価格で買い取ることを表明していましたが、ユニー・ファミマHDは、10月11日の取締役会で改めてアスパラントへの売却を決議しました。  NHCの提案を退けた理由については、報道によると、①アスパラントとNHCの提案を比較すると、買収額ではNHCが上回るものの、信頼関係がない中で売却しても、さが美の企業価値を向上できるか疑問、②さが美の賛同表明がなくてもNHCはTOBを実施できたはずだが、NHCはTOBを行わなかったから――となっています。  この決着について、コーポレートガバナンス・コードの導入などで取締役会の機能強化が求められる中で、その責任を果たしたのかどうか疑問の声も出ています。そこで、安東会長に今回のさが美に対するTOB提案を行った経緯と、提案を退けられた理由に対する反論などについて、うかがっていきたいと思います。  「まず申し上げたいのは、NHC及び当社が管理運営するNH-2は、16年9月23日付でユニー・ファミリーマートHDに提出した申入書、並びに同年9月30日付で同社に提出した改訂申入書の内容について、同社に対して迅速に諸手続を進めるよう繰り返し依頼しておりました。しかし、ユニー・ファミリーマートHDとの間では何らの実質的な協議の場が持たれず、また、さが美との間では一切の協議の場が設けられることのないまま、ユニー・ファミリーマートHDによる10月11日付のプレスリリースによって、当社案ではなく、アスパラントが運営するAG2が実施するTOBに応募したことを我々は知ったということです。これは、非常に礼を失した対応だと思います」 「条件面ではるかに優れた内容だった」 ―― 簡単に経過を振り返りますと、16年8月17日にユニー・ファミマHD(当時はユニーグループ・ホールディングス)はさが美の保有株(発行済み株式の約54%)をアスパラントに売却すると発表しました。その後、アスパラントは18日から1株56円(注)でTOBを始めました(買い付け期間8月18日~10月11日)。これに対してNHCは9月23日に70円でのTOBを提案、さらに30日に90円に引き上げたのですが、ユニー・ファミマHDは10月11日、AG2へのさが美株売却を採用し、NHCを退けた形になりました。  まず第1の理由として挙げられている「信頼関係がなかった」という点についてはいかがですか。  「我々は、さが美とは07年頃にさが美のアドバイザーを通じて事業の構造改革に関する意見を聞きたいという要請を受けて、さが美経営陣との間で同社の経営改善策についての意見交換をしています。NHCがかつて着物の卸会社の市田を再生させた実績を持っていたからだと思いますが、そうした意見交換を行った後も、さが美の経営陣とは公私にわたる深い交流がありました。その後、構造改革について意見が一致した改善事項を踏まえて、15年7月にはさが美の取締役に対し、さらに、同年12月には旧ユニーグループ・ホールディングスの取締役に対して、きわめて現実的な再生案を提示しています。この時の提案書では、仮にM&Aを行う場合について、株式と債権の扱いに関する条件として、『ユニーが保有するさが美株式の一定割合を1株75~100円で買い取ること、債権放棄を求めないこと』となっていて、この時点で、すでにAG2案よりも条件面ではるかに優れた内容であったと思っています」 ―― アスパラントが16年8月に結んだ契約では、さが美株について、旧ユニーグループHDが保有する全株2199万4126株(発行済み株式数の53.86%)をアスパラントに1株56円でTOBに応じるほか、さが美に対する額面34億円の貸付債権のうち16億円を放棄した上で額面18億円の貸付債権を譲渡するという内容でした。NHCの提案では当初、債権放棄を求めないという内容だったのですか。  「そうです。さが美には純資産が約50億円ありましたから、債権放棄の必要はないというのが我々の提案でした。しかし、その後AG2によるTOBの期限も迫ってきましたので、『貸付債権のうち16億円を放棄した上で額面18億円の貸付債権を譲渡する』という条件をAG2の提案にそろえ、さらに5億円の資金調達への協力を加えた上で、最終的には買い取り額を、時価(3・6カ月平均株価)を上回る90円としたのです」 ―― さが美は、ユニーの店に出店していることから、NHCの再生案でユニーに出店しているさが美の店舗の削減策があったため、ユニー・ファミリーマートHDとしてはNHCの提案を飲めなかったということはないですか。  「当社から出した提案書にはリストラについては1行も書いてありません。先ほどお話した15年12月に出した再生案には店舗の削減策等も入っていましたが、これについては、さが美が16年3月に『事業構造改革の実施について』を策定し、22店舗の不振店の閉鎖などを含めたリストラ計画を実施していましたから、これ以上の削減策は必要なかったし、当社の今回の再正案では逆に雇用の確保を盛り込んだくらいです」 なぜ、対抗TOBを行わなかったのか ―― NHCの提案を退けた2つ目の理由、さが美の賛同表明がなくてもNHCはTOBを実施できたはずだが、NHCはTOBを行わなかったではないかという点についてはどうですか。  「決定的な理由は…  

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[座談会] 敵対的企業買収の到達点と今後の課題

[対談・座談会]
[座談会] 敵対的企業買収の到達点と今後の課題 ― 企業価値報告書、買収防衛策指針から10年、日本が進むべき道 有料記事です

 神田 秀樹(東京大学 教授)
 岩倉 正和(西村あさひ法律事務所 弁護士、一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授)
 石綿 学(森・濱田松本法律事務所 弁護士)
 司会・編集 川端 久雄(編集委員、日本記者クラブ会員)

<はじめに>   2005年は日本のM&Aにとって記念すべき激動の年でした。まず、ライブドアによるニッポン放送への市場買付けによる敵対的買収で幕を開けました。この事件を巡る司法判断があり、その後、経済産業省・企業価値研究会の報告書、同省と法務省の買収防衛策指針、会社法成立といった制度面での進展がありました。さらに、上場企業同士の初の公開買付け(TOB)による敵対的買収も行われました。2015年はそれからちょうど10年の節目の年になります。   この間、日本企業にも米国を参考にした事前警告型の防衛策が浸透する一方、相変わらず高い安定株主比率を維持する企業も見受けられます。TOBによる敵対的買収は王子製紙などが挑戦しましたが、敵対的買収と呼ぶのに相応しい案件はあまり成立していません。上場企業同士では1件だけです。逆に、投資会社などが制度の穴を突いて、敵対的TOBの足を引っ張るような動きもみられます。経営に規律を与えるという敵対的買収の本来の機能が日本では生かされていないようです。   ところで、最近は、日本経済の再興のため日本企業に対して、経営の規律を求める声が一段と高まってきています。会社法改正で社外取締役の強化が図られたほか、コーポレートガバナンス・コードも導入されます。こうした状況を踏まえると、もう一度、経営に規律を与える敵対的買収の意義を考えてみる必要があるように思われます。日本の敵対的買収の状況はどうなっているのか。今の状況は良いのか、良くないのか。良くないとしたら、制度などを改善する必要があるのか。日本の企業買収法制は、2005年の防衛策指針の策定、翌年の公開買付規制の改正で一応、形を整えていますが、どちらも当時、緊急に整備を図ったものと言われていました。その後、英国など欧州法制の研究も進み、防衛策の原則禁止と強制公開買付制度を中心とする英国型を支持する見解も有力に主張されています。   本日は、日本の企業買収法制をリードされてこられた神田秀樹教授、実務で敵対的買収の攻防などを担当された岩倉正和弁護士、石綿学弁護士にお集まりいただきました。この10年を振り返りながら、今後の日本の買収法制のあり方について議論をしていただきます。

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第114回 「顧客の心に蓄積される価値」に関する評価モデルの提案

[M&A戦略と会計・税務・財務]
第114回 「顧客の心に蓄積される価値」に関する評価モデルの提案 有料記事です

 野添 峻司(PwCアドバイザリー合同会社 シニアアソシエイト)
1. はじめに 1-1. ブランド品とコモディティ品   最新のスマートフォン発売に1000人以上が行列をなし、100万円超の高級レザーバッグが5年待ちとなる。その本来の機能は、最新のスマートフォンであれば、移動可能な端末での遠距離会話であり、高級レザーバッグであれば、手回り品収納である。しかし、それを求める消費者は、その商品に唯一の価値を感じ、顧客となり、さらにはアンバサダーの役割をも担うようになる。他の通話品質が多少良い携帯電話も、他の革が傷つきにくいバッグも、比較どころか検討対象外かのように映る。   こういった文脈でその行動に影響を与える要因を語るとき、ブランドというキーワードが登場する。先のような製品を付加価値の高い商品(= ブランド品)とすると、その一方は付加価値の低い商品(= コモディティ品)といえる。後者は大きくは変わらない(と思われる)基本的な機能を厳しく確認され、消費者からの口コミに晒され、常に複数の類似品と比較される。例えば、どこの家庭にもある家電製品など、特に基本機能のみを備えた中~低価格帯では、十分な利益を出すことが難しい場合も多い。   顧客が商品の味方をしているかのような、高い「価値」を持つブランド品と、消費者が商品に敵対しているかのような、競合品と「比較」されるコモディティ品が拮抗する社会。その中で特に成熟市場である先進各国では、比較される市場から抜け出すため多くの企業がブランドを利用した価値の向上を目指している。   現在すでに、ブランドに関わる評価モデルは複数あるが、その多くはコーポレートブランドを測る目的で、顧客・従業員・株主などのステークホルダー全体の価値を包括したトップダウンアプローチが多い。またその分類として、マーケティング目線でブランドの優位性を測定するもの、財務諸表や株価指標を用いた財務的なもの、またそれらを併用したものがある。しかしその有用性については、多くの場合、議論の途上である。

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みちのりホールディングス―― ベストプラクティスをグループ各社で共有することで成長を実現する

[特集・特別インタビュー]
みちのりホールディングス―― ベストプラクティスをグループ各社で共有することで成長を実現する 有料記事です

 松本 順(みちのりホールディングス 代表取締役、経営共創基盤(IGPI) 代表取締役マネージングディレクター)
みちのりホールディングス(HD)は、経営共創基盤の100%出資によって、傘下の公共交通事業体の持株機能及び長期的・持続的な事業価値の向上を目的として2009年3月に設立された。現在、以下の5社が傘下に入っている。 また、5月22日付で、神奈川県の湘南モノレールの株式55.2%を保有する三菱重工業と株式譲渡契約を締結。三菱電機と三菱商事がそれぞれ18.4%ずつを持つ湘南モノレール株も買い取り、計92%を取得することを発表した。そこで、みちのりHDの松本順・代表取締役(経営共創基盤 代表取締役マネージングディレクター)に地方創生に対する考えと、地方交通会社再生の具体的取り組みについて聞いた。 経営の高度化と集約がポイント -- 松本社長は、産業再生機構時代に執行役員として九州産業交通、関東自動車等の地方企業の再生案件を統括してこられた経験をお持ちです。また、現在はみちのりホールディングスの社長として北関東、東北地域のバス会社の再生と成長の実現に取り組んでおられるわけですが、地方創生について松本社長はどのようにお考えですか。

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[座談会]実務家が語るグローバルM&Aにおける不正リスク対応

[対談・座談会]
[座談会]実務家が語るグローバルM&Aにおける不正リスク対応 有料記事です

 藤本 欣伸(西村あさひ法律事務所 パートナー 弁護士)
 プレボスト 真由美(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー フォレンジックサービス マネージングディレクター)
 守田 達也(双日株式会社 法務部 部長)
 司会・構成 丹羽 昇一(編集長)

自己紹介 丹羽 「第一三共やLIXILなど、買収先の不祥事などで想定外の損害を被る事例が出ています。M&Aにおける不正・不祥事リスクをそのM&Aプロセスにおいていかにミニマイズし、また、買収後発生する可能性があるリスクにいかに対応するか。さらに、グローバルなグループ経営におけるコンプライアンス体制はいかに在るべきか。課題は多いと思います。本日は実務家の皆様にお集まりいただき、リスク対応の実際と課題について議論頂きます。   まず、プレボストさんから自己紹介をお願いします」 プレボスト 「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(以下、デロイト)のプレボスト真由美と申します。日本でフォレンジックサービスを担当しています。企業に絡む不正や不祥事といったリスクを調査・分析・把握して、再発防止の対策と体制作りを支援するサービスですが、そうしたリスクマネジメントのための企業組織内部の意識・業務・組織改革の助言や、訴訟や係争が発生した際の支援などを行っています。   生まれも育ちも日本ですが、大学からアメリカ暮らしで、卒業後すぐに米国デロイトに入って、不正防止の専門家として、不正調査やコンプライアンス体制構築の仕事を、20年近くしてきました。日本には長期出張も含め何度も来ていますが、昨年(2014年)1月からは、日本でサービスの提供をしています。   M&Aに関しては、契約前の段階における、FCPA(米国海外腐敗行為防止法:Foreign Corrupt Practices Act of 1977)関係のデューデリジェンス(DD)のほか、ディール後に不正が発覚した場合に、その調査を依頼されたり、表明保証・補償などの買収契約条項に基づいて訴訟対応の助言をすることが多いです。また、不正があるなしに関係なく、買収契約条項に基づいて実質的な価格調整が行われる場合には、その査定のサポートもさせていただいています」 丹羽 「藤本先生、お願いします」 藤本 「藤本欣伸と申します。弁護士になって25周年になります。91年に弁護士になった時は、いわゆる渉外弁護士として国際関係の仕事につきました。その後、シカゴ大学のロースクールを卒業して、ニューヨークで2年働き、97年に日本に帰国しました。97年は、日本の金融・経済が危機的なときで、三洋証券、拓銀、山一證券など大手金融機関が破たんしました。その頃、外資系投資ファンドが日本に参入して不良債権投資をはじめました。不良債権ビジネスは当時の日本にとっては新しいビジネスで、ちょうど米国から帰国したばかりということもあり、投資ファンド関係の仕事を集中的にやりました。2000年頃になると、ファンドの投資対象が不動産にシフトしましたので、不動産案件にも取り組みました。01~02年頃になると、日本企業の株式への投資、すなわちM&Aが増え始め、欧米的なM&Aのやり方やドキュメンテーション・DDが定着してきて、M&Aマーケットが急拡大しました。08年のリーマンショックまで一気に拡大しましたので、M&Aが仕事の中心になりました。外資による日本企業の買収やPE(プライベートエクイティ)ファンドの案件も増えました。リーマンショック後は、日本企業の海外M&A(IN-OUT)が急激に増えてきて、国際的な対応が必要になっています。   この国際的な対応の問題は、実は国内企業同士のM&Aでも重要になっています。2つの要因があって、1つは、買収対象の日本企業も海外子会社をたくさん持っているため、DDも海外のウエイトがますます高まっている点です。もう1つは独禁法の問題で、日本企業同士でも一定の規模を超えると、独禁法の届出が世界各国で必要になる可能性があって、そのチェックを100カ国以上について行うケースもあります。   私どもの事務所は弁護士が500人以上いますが、国際的な対応が必要な案件が私の仕事の中心になっています。   さて、不正リスクについてですが、日本の優良企業によるいわゆる不祥事の報道が目立ってきていますが、M&Aにおいても、DDをしても不正が分からなくて、買収後に判明し、巨額の損失を被ったといったケースが出ています。これだけ海外の買収案件が増えてくると、ますます不正リスクが高くなる。法律や習慣が違いますし、日本の常識が通用しないことが多いですから、そうした中で、日本企業がいかにリスクヘッジをしていくのか。極めて重要かつタイムリーな課題だと思います。   なお、先ほど、プレボストさんから不正調査のお話が出ましたが、弁護士事務所も不正・不祥事が発生した時は、もちろん法的助言という大きな役割を果たしますし、不正調査サービスもします。また、予防のためのコンプライアンス体制の構築や運用に対するアドバイスも大きな仕事になっています。」 丹羽 「守田さん、お願いします」 守田 「双日株式会社で法務部の部長をしております、守田と申します。双日は、日商岩井とニチメンが2004年に合併してできた会社ですが、私は1990年に日商岩井に入社して以来、ほぼ法務一筋のキャリアです。入社数年で米国のロースクールを卒業し、95年にニューヨークでの実務研修を終えて、日本に帰り大阪・東京の法務部に所属した後、97年のアジア通貨危機の時に、不良資産処理のためにインドネシアのジャカルタに行きました。04年の統合の際はその対応のためにシンガポールに移りましたが、その後、商社生活を終えることにして、日本の独立行政法人に2年ほどお世話になりました。06年に縁あって双日に戻ることとなり、ニューヨークに駐在した後、11年から東京の法務部に戻って、昨年(14年)に部長になったという経歴です。法務業務に携わってきましたが、様々な場所で色々と経験してきたな、という感があります。   商社の仕事についてですが、プロジェクトファイナンスなどが大きな割合をしめていた時代もあり、一方で新規のジョイントベンチャー(JV)の設立やメーカーの商権を分社してその会社に出資するようなM&Aに近い投資も以前から手掛けてきています。ただ、当時はDDの概念もなく、今考えるとよくそれでやっていたなという状況でした。しかし、アジア通貨危機やITバブル崩壊などを経て、いよいよ本格的な事業投資のM&Aをやる時代になった。ビジネスモデルも融資から投資にシフトし、投資先の不正リスクを含む、様々な減損リスクへの対応等、業務内容も大きく変わってきています」

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日本初の“温泉旅館特化”REITを上場した大江戸温泉HDの狙い

[マールレポート ~企業ケーススタディ~]
日本初の“温泉旅館特化”REITを上場した大江戸温泉HDの狙い 有料記事です

2015年ベインキャピタルの傘下に   温泉旅館・温浴施設の運営を行う大江戸温泉物語ホールディングス(HD)が、「大江戸温泉リート投資法人」を設立、2016年8月31日に東京証券取引所の不動産投資信託証券市場に上場した。REITは、投資家から集めた資金で不動産を運用し、賃貸料、売却益などの収益を分配する投資信託だが、温泉施設に特化したREITの組成・上場は国内初ということもあって注目されている。   大江戸温泉HDは、国際的プライベート・エクイティ(PE)投資会社であるベインキャピタルが、15年3月、全株式を取得(買収額は公表されていないが約500億円と見られている)、現在ベインキャピタル参画のもとに経営改革を行い、新たな成長戦略を進めている。   当時の大江戸温泉物語は、東京都お台場の大規模日帰り温泉「お台場大江戸温泉物語」をはじめ、全国に23の温泉旅館と6カ所の温浴施設・テーマパークを展開し、年間約500万人が利用。売上高は07年以降毎年30%成長を達成しており、15年2月期の売上高は350億円という国内最大手の温泉旅館チェーンだった。   ベインキャピタルは全世界で総額750億ドルを越える運用資産を持っており、06年に東京拠点を開設した。東京オフィスには事業会社・コンサルティング会社での経験を持つ約30人のスタッフがおり、これまでジュピターショップチャンネル、ドミノピザ・ジャパン、ベルシステム24など12社に対して投資を行ってきた。最近では、14年10月9日に投資先のすかいらーくが、06年9月の上場廃止から8年1カ月ぶりに東京証券取引所第一部に再上場を果たしている。   大江戸温泉HDの創業は、01年11月にさかのぼる。同社の設立は、ソフトバンクの本社が建つ予定が流れた東京・お台場の空き地利用を巡って東京都港湾局がコンペを実施し、10社を超える提案の中から「中高年も楽しめる江戸をテーマにした日帰り温泉施設」という構想が採用されたのがきっかけだった。当初はマスコミでも大きく取り上げられ、人気となった大江戸温泉だったが、その後、経営が思わしくなくなり、経営は04年キョウデングループの創業者である橋本ひろし氏の手にゆだねられることになった。

2017年1月のM&A件数と金額

2017.01.31現在 集計

  IN-IN IN-OUT OUT-IN 合計
件数 (件) 117 47 6 170
増加率 -5.6% 2.2% -53.8% -7.1%
金額 (億円) 750

7,045

1,479 9,275
増加率 -0.3%

283.3%

-63.9% 38.8%

 *2016年1-12月の日本企業のM&A動向は、こちら

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「MARR2016」(M&Aレポート2016)の「第4部 アンケート調査」から抜粋。Aコース会員・EXコース会員向けの限定コンテンツです。

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